
月に秋草図屏風 (つきにあきくさずびょうぶ)
酒井抱一 (さかいほういつ)
江戸時代 文政8年(1825)5月
紙本着色 2曲1隻(もと襖2面)
165.7×251.6cm
ススキ、オミナエシ、キキョウ、実をつけたサンキライ(山帰来)などの秋草が、月光を浴びて華やいでいます。絵を見ていると、静かな秋の野に出て、夜空にかかる月を見上げてでもいるような、すがすがしい気分になってきます。江戸琳派の酒井抱一(1761~1829)の、みやびで詩情に富んだ作風をもっとも良く伝えてくれる傑作です。 もとは京都の公家(くげ)、二条家の襖絵(ふすまえ)として描かれたものであることが、引き手金具の裏側に隠された家紋によって知られます。数え年65歳の抱一が、気合いを入れて作画に当たったであろうことが偲ばれます。
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