岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

汐くみ (しおくみ)

上村松園 (うえむらしょうえん)

昭和16年(1941)
絹本着色 1幅
145.5×50.5cm

この作品の主題は、田楽能(でんがくのう)であった「汐汲(しおくみ)」に基づく観阿弥(かんあみ)の原作を、世阿弥(ぜあみ)がさらに改作した「松風(まつかぜ)」という能の曲目にちなんでいます。在原行平(ありわらのゆきひら)に愛された須磨浦(すまのうら)の若き汐汲み、松風と村雨(むらさめ)を題材としたものです。 上村松園(1875~1949)は明治から昭和にかけ、美人画に専心した女流画家です。女性の自立が難しかった時代に厳しい精進を重ね、ついには73歳で女性として初の文化勲章を授与されるまでになりました。本図は松園66歳の年の作品です。