岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

朝の聖堂 (あさのせいどう)

東山魁夷 (ひがしやまかいい)

昭和46年(1971)
紙本着色 1面
100.3×65.2cm

早朝の波静かな川面(かわも)に教会の塔と森が映っています。朝日が少しずつあたりを照らし、木々に緑色が兆(きざ)し始めました。フランクフルトの北方、ライン川の支流ラーン川ぞいに建つリンブルクの大聖堂です。 東山魁夷(1908~99)は横浜に生まれ、東京美術学校で日本画を学んだのちドイツに2年間留学し、ベルリン大学美術史部でヨーロッパ美術を研究しました。この絵は、若き日の思い出の国を61歳の魁夷が妻と再訪し、その折の習作によって2年後に描いた1枚です。