岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

三千歳 (みちとせ)

伊東深水 (いとうしんすい)

昭和時代中頃 20世紀中頃
絹本着色 1幅
61.1×71.8cm

遊女三千歳は河竹黙阿弥(もくあみ)作の歌舞伎「天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)」の6幕目に登場するヒロインで、そこで流れる清元の曲名でもあります。罪人として追われる身となった片岡直次郎が、病のため入谷で療養している恋人の三千歳に別れを告げに訪ねてくる場面。ほつれた髪にしどけない姿で鏡の前に座り、直次郎を想い待ちわびる三千歳の内面までもが巧みに描き出されています。 伊東深水(1898~1972)は鏑木清方の弟子で、伝統的な浮世絵にも学びながら数多くの美人画を描き人気を集めました。