岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

舜王・娥皇・女英図 (しゅんおう・がこう・じょえいず)

狩野探幽 (かのうたんゆう)

江戸時代 寛文5年(1665)
絹本着色 3幅
各157.8×68.8cm

静かに琴(きん)をつまびく男性は、中国古代の理想的な帝王とされる舜、2人の女性は、先帝である堯(ぎょう)の娘たちで、ともに舜の妻となった娥皇(向かって右)・女英(左)とされています。鳳凰が桐の方へ舞い降り、聖人の善政と太平の世を象徴します。 狩野探幽(1602~74)は徳川幕府の御用絵師(ごようえし)として江戸で活躍し、瀟洒(しょうしゃ)・淡白な画風によって江戸時代絵画の基礎を築きました。将軍家康のひ孫にあたる松平直矩(なおのり)の『松平大和守日記(まつだいらやまとのかみにっき)』寛文5年3月6日条に、探幽の「舜・娥皇・女英」3幅対完成の記事が見え、年紀の一致からこの絵のことと考えられます。制作の経緯が知られる貴重な作品です。