岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

三彩駱駝 (さんさいらくだ)

唐時代 8世紀
1軀 高81.2cm 長63.8cm

首を上げていななく大形の駱駝の俑(よう)です。背にはフリルの付いた敷物をひき、2つのこぶの両側には野営用テントの部材を掛け、その上に獣面がほどこされた袋を垂れ掛けています。さらに、水瓶(みずかめ)や干し肉、鳥や兎といった食糧品を吊り下げているのも見えます。 二つのこぶを持つフタコブラクダは中央アジア種といわれ、唐時代にはシルクロードの東西交易において活躍しました。当時の国際都市長安や洛陽の人々にとって、ラクダはまさにそうした交易によってもたらされた富の象徴でした。本作品は細部の作りも精緻で、造形、色彩ともに盛唐期の特徴を示す三彩駱駝俑の優品といえます。