岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

色絵筆硯文大皿 (いろえふですずりもんおおざら)

肥前・有田窯(ひぜん・ありたよう)
古九谷(こくたに)様式
江戸時代 17世紀中期
1枚 高7.3cm 口径37.4cm 底径16.4cm

大皿の中央には墨と硯(すずり)、それを横切る節竹(ふしだけ)の大筆、視線を中心に誘う地文様(じもんよう)、見るものを圧倒する豪快なデザインです。文房具をモチーフとする古九谷は珍しく、文雅の士のたしなみである「琴棋書画(きんきしょが)」のうち、書画の象徴といえます。 紫と緑で彩られたモチーフを、金屏風を彷彿(ほうふつ)とさせる黄色が引き立て、鮮やかな色の対比を作り出しています。黒の上に色釉を重ねて深みのある濃淡を生み出し、太い線と細い線、点描(てんびょう)を巧みに使い分けるなど、大胆さの中にも繊細な工夫が見られます。裏面には緑色と黄色で花唐草が描かれています。