岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

粉彩団蝶文碗 (ふんさいだんちょうもんわん)

景徳鎮窯(けいとくちんよう)
清時代 雍正年間(1723~35)
1対 各高6.6㎝ 口径14.3㎝ 底径5.2㎝
「大清雍正年製」銘

薄造りのつややかな白磁に「粉彩」の技法で細密に蝶と花を表した、目にも美しい茶碗です。雍正(ようせい)年間に完成された粉彩は、西洋の七宝の技法を磁器の絵付けに応用し、不透明な白色顔料の下地にガラス粉末の多彩な顔料を施して、微妙な濃淡やぼかしの表現が可能となりました。その粉彩を巧みに用いて一対の蝶と様々な種類の花木を組み合わせた丸い文様を、側面に5つ配しています。中国語で八十歳を意味する「耊(てつ)」と字音が通じる蝶は、長寿を願う吉祥文様として好まれ、この碗にもそうした願いが込められているようです。