岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

色絵波涛花散文美人像 (いろえはとうはなちらしもんびじんぞう)

有田・柿右衛門様式
江戸時代 17世紀後半
1躯
高39.2㎝ 幅13.7㎝ 奥行12.5㎝

黄色の地に鮮やかな水玉模様が映える小袖(こそで)に、流水と大きな熨斗(のし)を背面に配した打掛(うちかけ)を羽織った粋な女性を表しています。右手を帯下、左手を襟元に添え、左足をわずかに踏み出した姿は、今にも動き出すかのようです。御所髷(ごしょまげ)という髪の結い方や大胆な着物のデザイン、帯を腰下で締める着方は、寛文年間(1661~73)頃に流行したものです。
型を用いて精巧に作られた人形で、焼成時の割れを防ぐための空気孔は、造形を損なわないように口と髷の裏に開けています。本作のような人形だけでなく、鶏や鸚鵡(おうむ)、馬などを象った立体作品は、ヨーロッパの王侯貴族に愛好されました。