岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

白磁刻花牡丹文輪花鉢 (はくじこっかぼたんもんりんかばち)

定窯(ていよう)
北宋時代 11世紀
1口
高8.6㎝ 口径24.3㎝ 底径7.6㎝

定窯(ていよう)の白磁特有の象牙(ぞうげ)色をした深鉢です。六弁の花形で、内面にある牡丹の枝の文様は、片切彫り(かたきりぼり)という、斜めに刃を入れて彫り込む技法により、浮き上がったように見えます。
縁に付いている茶色い部分は、覆輪(ふくりん)と呼ばれる金属の輪です。北宋時代(960~1127)の定窯の白磁は、大変薄く成形し、ゆがみを防ぐために皿や鉢は伏せて焼くので、器の縁を露胎(ろたい、釉薬がかからない状態)とします。その部分を補うための補強材です。
この鉢は、優美な形と、美しい牙白色(げはくしょく)、流麗な文様をそなえ、定窯の最盛期の作風を示しています。