岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

志野山水図鉢 (しのさんすいずはち)

美濃窯(みのよう)
桃山時代 16世紀末~17世紀初頭
1口
高6.5㎝ 口径27.7㎝

険しい山と松のような木を鉄絵具で大きく描き、周囲に縞模様(しまもよう)と交差した連珠文(れんじゅもん)を配しています。筆のかすれを活かした鉄絵(てつえ)と、全体にかかる白濁した長石釉(ちょうせきゆう、長石を主原料とする釉薬)が見事に調和し、1幅の水墨画のようです。轆轤(ろくろ)で円く成形したのち、手で歪(ゆが)ませて形に変化をつけています。底は、粘土紐を折り曲げた3つの脚を付け、釉薬をかけた陶工の指で釉が剥(は)がれた箇所が橙色に焼けています。
日本で初めて白い器面に筆で絵付けをした志野焼(しのやき)は、慶長年間(1596~1615)に美濃(みの、現在の岐阜県)で誕生しました。