岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

色絵唐花文銚子 (いろえからはなもんちょうし)

有田・古九谷様式
江戸時代 17世紀中頃
1口
高19.5㎝ 胴径14.4㎝ 底径10.9㎝

青と赤の花唐草と、緑で塗り込めた幾何学文を片身替(かたみが)わりで配置した銚子です。器全体に余すところなく美しい文様を施し、黒線の上に緑や紫などの濃彩を重ねることによって、色に深みが増して艶(つや)やかです。宴や懐石(かいせき)の場で用いられた酒次(さけつぎ)で、このような器形は金属器や漆器が原型であったと考えられます。
17世紀中頃、肥前国(ひぜんのくに、現在の佐賀県および長崎県)の有田で完成した色絵磁器のスタイルを、「古九谷様式」と呼びます。古九谷様式の銚子は類品が少なく、中でも本作は注ぎ口が欠けることなく、蓋まで現存する貴重な作品です。