岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

加彩馬 (かさいうま)

唐時代 7~8世紀
1躯
高42.0㎝ 長48.3㎝

右の前足を蹴り上げ、口を開けて嘶(いなな)く馬を写した、躍動感あふれる造形です。片側に流したたてがみや、左右に分けた前髪のしなやかな質感、筋骨隆々とした体の量感を、優れた彫塑(ちょうそ)の技によって巧みに表しています。行列などで連れて歩く引き馬を、立派な馬具で飾った加彩(白化粧の上に顔料で彩色する技法)の俑(よう)で、死者とともに墳墓に埋納されました。たてがみや鞍飾りなどに、赤い彩色が残っています。
前漢時代に西域からもたらされた馬は、東西交流が発展した唐時代、貴族の間でさらに人気が高まり、名馬を模した俑が盛んに作られました。