孔雀図 (くじゃくず)
岡本秋暉 (おかもとしゅうき)
江戸時代 安政3年(1856)
絹本著色 1幅
152.0×86.8cm
海棠(かいどう)の木に止まる雄の孔雀が、雌に向かって羽を広げようとしています。さえずる小鳥と花々が2羽の出会いを祝福するようです。花も鳥も豊かな立体感をそなえ、とりわけ孔雀の尾羽には無数の金線がそって、今まさに広がっていく様子が生き生きと表されています。
岡本秋暉(1807~62)は江戸の彫金家の子として生まれ、南蘋派(なんぴんは)の大西圭斎(けいさい)に学びました。小田原藩士の岡本家の養子となり、藩の閑職に就いて画業に励んだそうです。
秋暉が得意とした孔雀図の中でも格別に豪華なこの絵は、明治天皇の御遺物(ごゆいもつ)で、大正9年(1920)、久我通久(こがみちつね)侯爵に下賜(かし)されました。
今後展示予定の日本・東洋の絵画
