雨後嵐峡 (うごらんきょう)
横山大観 (よこやまたいかん)
昭和時代前期 20世紀前半
絹本著色 1幅
54.4×71.9cm
雨上がり、もやの立ちこめる京都嵐山の美しい情景を描いた作品です。ヤマザクラがわずかに残る山間に滝が流れ落ち、その下方には夏の訪れを告げるホトトギスが軽やかに渡っていくのが見えます。雨に濡れた山の様子がぼかしやにじみを用いて表され、潤いに満ちた初夏の山並みが再現されています。
茨城県水戸に水戸藩士の子として生まれた横山大観(1868~1958)は、明治から大正、昭和の長きにわたり近代日本画壇の中心的存在として活躍しました。本図は大観の70歳代に描かれたと考えられるもので、箱書きは画家自身が「雨後嵐峡」と記しています。
今後展示予定の日本・東洋の絵画
