虎図屏風 (とらずびょうぶ)
大橋翠石 (おおはしすいせき)
明治時代 19世紀末~20世紀初頭
絹本著色 6曲1双
各154.5×355.0cm
虎図は東アジアで愛好されてきましたが、日本で実際に生きた虎を目にできるようになったのは明治以降のことでした。岐阜県大垣出身の大橋翠石(1865~1945)は、虎の見世物興行に足を運んで写生を行い、また江戸時代の円山応挙(1733~95)が描いた虎図の写真を模写することによって迫真的な表現に到達し、「虎の翠石」と称賛されました。
量感あふれる虎の体は、墨の濃淡とぼかしを用いて縞模様を表し、主に胡粉(ごふん、焼いた貝殻を粉末にした白い絵具)によって細密な毛描きをほどこしています。毛並みは、自ら考案した毛描き用の特殊な筆によるものです。本図は、翠石の虎図の中でも初期に描かれた屈指の大作です。
今後展示予定の日本・東洋の絵画
