岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

春秋花鳥図屏風 (しゅんじゅうかちょうずびょうぶ)

狩野派 (かのうは)

桃山~江戸時代初期 17世紀初頭
紙本金地著色 6曲1双
各153.0×356.0cm

孔雀の親子が憩う右隻では、滝の流れる水辺に桜や海棠(かいどう)など春の花々が咲いています。左隻は菊と萩が群れ咲く秋景で、紅葉の根元の辺りには、冬の訪れを告げる藪柑子(やぶこうじ)や南天の赤い実も見えます。孔雀は、富貴(ふうき)や息災(そくさい)、姿や行動の正しいことなどを意味する鳥であることから、名家の繁栄を象徴する屏風であったと考えられます。
金雲と花木を複雑に組み合わせて奥行きを表す画面構成、花木の形と繊細な表情などから、桃山時代後期~江戸時代初期の狩野派の作と推定されます。左右の端に、狩野永徳とその工房が使用した「州信(くにのぶ)」印と見なされる壺形の印章があります。