
萩下絵和歌色紙「ゆめ通ふ」 (はぎしたえわかしきし)
俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書 (たわらやそうたつ・ほんあみこうえつ)
桃山~江戸時代初期 17世紀初頭
紙本金銀泥下絵墨書 1幅
18.0×16.1cm
もと36枚の色紙セットの一枚で、鑑賞用に掛軸に仕立て直されたもの。俵屋宗達(生没年不詳)による下絵の上に、本阿弥光悦(1558~1637)がおおらかな調子で和歌を散らし書きしています。書は「ゆめ通ふ道さえ絶ぬ呉竹の ふしみ(伏見)の里の雪の下折(したおれ)」と読めます(『新古今和歌集』「冬歌」巻第六、藤原有家)。
政治的な権力が江戸へ移った後の京都では、宮廷文化が再興し、町衆(上層町人)が洗練された都市の美意識を作りました。宗達や光悦は、こうした人々の支持を受けたものと考えられます。二人の合作は当時たいへん人気があったようで、数多くの作例が伝わります。
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