
江戸四季風俗図巻 (えどしきふうぞくずかん)
伝 菱川師宣 (でん ひしかわもろのぶ)
江戸時代前期 17~18世紀
絹本著色 2巻
(上巻)31.5×684.7cm(下巻)31.5×677.1cm
上巻は春の桜からカキツバタが咲く初夏まで、下巻は秋の紅葉から雪の降り積もる冬までを、四季折々の遊びとともに描いた上下2巻の絵巻物です。桜の名所・上野寛永寺での花見や、あざやかな紅葉、雪見などの描写に画面の多くが割かれ、添えられた鳥たちもいきいきと、しかも大ぶりに描かれています。一人一人丁寧に描き分けられた着物の表現に加え、美しい自然の表現も際立っています。
署名や印章はありませんが、画風から、浮世絵の元祖とされ、絶大な影響力をもった菱川師宣(?~1694)その人か、有力な門人が力を込めて描いたと考えられます。元禄期江戸風俗画の傑作です。
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