岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

鍍金花鳥文八花形銀杯 (ときんかちょうもんはっかがたぎんぱい)

唐時代 8世紀
1口
高4.5㎝ 口径8.0㎝ 底径3.9㎝

八曲からなる、捻じれの曲線が美しい銀製の酒杯です。小さな器の側面に彫金技法を駆使して、細密な花鳥文を表しています。花が咲き、蝶の舞う草原に、オシドリ・ツバメ・ヤツガシラなど様々な番(つがい)の鳥たちを配し、地上の楽園を表現しているかのようです。均一に刻まれた魚々子文(ななこもん、小さな円の連続文様)を脚の付け根まで精緻に施しています。
中国における金銀器は、唐時代にササン朝ペルシアとの交易で、精巧な金工品がもたらされたことにより、制作技術が頂点に達しました。複雑な形と華麗な文様が見事に調和した本作は、唐時代に盛んに制作された金銀器の中でもとくに優れた逸品です。