岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

饕餮文觚 (とうてつもんこ)

殷(商)時代後期 紀元前12~紀元前11世紀
1口
高29.4㎝ 口径16.8㎝ 底径9.8㎝

ラッパ状に開いた口と細長い胴部をもつ器で、頸(くび)に蕉葉文(しょうようもん)と蛇文、胴と脚に饕餮文(とうてつもん)と呼ばれる獣面の文様と蝉文を表し、胴と脚の間に十字の透かし彫りを施しています。
この形は觚(こ)という殷(いん)時代後期を代表する飲酒器です。酒を温酒器で温めた後、このような飲酒器に注いで使いました。觚は、さらさらとした酒を飲用するには不向きな形状であるため、甘酒のようなとろみのある酒をスプーンですくって飲んだと考えられています。殷時代は、祭祀の儀式に酒が重要な役割を果たしたため、本作のような酒器が多く作られました。