
黒漆楼閣人物図螺鈿四方盆 (くろうるしろうかくじんぶつずらでんよほうぼん)
元~明時代 14世紀
1枚
高2.9㎝ 口径22.1×22.1㎝ 底径17.2×17.2㎝
山間の楼閣に集う人々を、螺鈿(らでん、貝片を切って文様として貼り付ける技法)で表した正方形の盆です。細かく切った薄貝(うすがい、厚さ0.1ミリ以下に加工した貝)の使い分けと毛彫り(工具を使って細い線を彫る技法)によって、人物の老若や服装などを克明に表現しています。
中国・元時代以降の螺鈿作品は、薄貝を細かく切り貼りする絵画的な表現が盛行しました。緻密な文様は、剥(は)ぎ出しという、貝を貼った上に漆を塗り、箆(へら)や刃物で文様部分の漆を剥ぐ技法によるものです。本作のような螺鈿の盆は、日本では茶の湯の道具である茶入盆(ちゃいれぼん)として使われたと考えられます。
今後展示予定の日本・東洋のうるし