岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

堆朱龍文合子 (ついしゅりゅうもんごうす)

明時代 万暦20年(1592)
1合 通高14.3cm 径32.5cm
「大明萬暦壬辰年製」銘

色漆を塗り重ね、文様を彫り表す彫彩漆(ちょうさいしつ)は、南宋時代からはじまり、元~明時代に盛んに作られた中国の漆芸技法です。表面の層が赤いものを堆朱(ついしゅ)といい、明時代の末には、この合子のように重厚感のある大ぶりな形が流行しました。文様は、火焔宝珠(かえんほうじゅ)を追い求め、両手両足を広げる五爪の龍を主役に、雲、波、太湖石を配し、地文に細密な彫りで霞や波を表しています。底裏には「大明萬暦壬辰(じんしん)年製」銘が記され、北京故宮博物院蔵の同銘の類品と一対で制作されたものと考えられます。