岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

黒漆葡萄栗鼠図 螺鈿箔絵小箱 (くろうるしぶどうりすずらでんはくえこばこ)

琉球王朝時代 17世紀
1合 通高5.2cm 縦11.7cm 横8.3cm

長方形の小さな箱で、蓋(ふた)側面に手がかりを刳(く)り、蓋の縁(ふち)には金箔を押した玉縁(たまぶち)が付いています。全体を黒漆塗りとし、地に細かい貝片を蒔(ま)き、螺鈿(らでん)で栗鼠(りす)2匹と葡萄(ぶどう)の実、葉をあらわしています。貝の細部には毛彫りが、葡萄の葉や蔓(つる)には箔絵(漆で文様を描き金箔を貼る手法)が用いられています。 葡萄と栗鼠は多産を意味する吉祥文様として好まれ、琉球でも硯箱や料紙箱に本作品と同種のものがのこっており、中国や日本などとは違った魅力が感じられます。この小箱は、香木の伽羅(きゃら)などを納めたものであったと考えられます。