岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

椿若松蒔絵螺鈿硯箱 (つばきわかまつまきえらでんすずりばこ)

伝 尾形光琳 (おがたこうりん)

江戸時代 18世紀
1合 通高8.3cm 縦24.6cm 横23.4cm

蓋(ふた)の甲を高く盛り上げ、底裏から側面、蓋の表にかけて椿と若松を大胆に描いています。全体に黒漆を塗った上に、鉛(なまり)や螺鈿(らでん)、金高蒔絵(きんたかまきえ)や銀平文(ぎんひょうもん)など様々な技法が用いられ、箱の内部には、水滴と硯(すずり)、筆置(ふでおき)、刀子(とうす)入れが設けられています。 尾形光琳(1658~1716)は絵師として有名ですが、遠戚にあたる本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の作品に影響を受け、早くから漆芸(しつげい)も手掛けています。箱の器形、構造、材料の大胆な用法や優美な意匠に光琳蒔絵の特色が見いだされ、光琳の美意識が強く反映された硯箱といえます。