岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

黒漆八卦文螺鈿亀形香合 (くろうるしはっけもんらでんかめがたこうごう)

朝鮮時代 19~20世紀
1合 通高3.3㎝ 径5.0㎝ 底径2.2㎝

六角の小ぶりな合子(ごうす)を亀に見立て、全面に多彩な螺鈿を施しています。貝殻を文様に切って張り付ける螺鈿は、高麗時代より盛んで、朝鮮時代にはこのような文房具の小品も飾りました。蓋に日月星辰(じつげつせいしん)や占いの算木(さんぎ)を組み合わせた八卦(はっけ)文、身には「伏神(ふくしん)」などの神を象徴する文字、合口部分に精緻な草花文が施されています。東洋において亀は、「亀卜(きぼく)」(甲羅を焼いて吉凶を見る古代の占い)に用いられたことから、この愛すべき小品は宇宙の神秘を表しているようです。