岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

黒釉掻落魚唐草文瓶 (こくゆうかきおとしさかなからくさもんへい)

磁州窯(じしゅうよう)系
金時代 12~13世紀
1口 高28.3cm 口径7.0cm 胴径16.3cm 底径8.2cm

口の部分が外側に開き、頸(くび)が細く、胴が豊かに張った玉壺春(ぎょっこしゅん)と呼ばれる形の瓶(へい)です。全体に黒釉がほどこされ、肩から胴にかけて3段の文様帯を設け、上から蔓唐草文(つるからくさもん)、回文(かいもん)、そして愛らしい魚を一匹組み入れた花唐草文を、掻(か)き落としの技法で黒く浮き上がるようにあらわしています。つややかな黒釉と白い素地とのコントラストが美しく、精緻な文様表現がみごとで、磁州窯(じしゅうよう)系黒釉陶器の優品の一つといえます。