現在、岡田美術館（館長・小林 忠）では、田中一村（1908-77）の生誕110周年を記念し、特別展「初公開 田中一村の絵画 ― 奄美を愛した孤高の画家 ―」を開催しています。 

8月24日（金）～9月24日（月・祝）の1ヶ月間、「アダンの海辺」を特別公開します。 

本作は自他ともに認める最高傑作の１つであり、今年、関東で展示されるのは当館のみです。 

一村が遺した手紙には、半年近くを費やして描いた作品であること、また、命を削って描いた閻魔大王への土産なので、売ることができない、との言葉が残っています。葉を広げるアダンの木を正面に配し、一粒一粒、完璧なほどに描き込まれた浜辺の砂礫(されき)の表現には、目を見張るものがあります。奄美の海の彼方にあるという神の国を描いたと思われる一村渾身の作品です。

本展では、当館収蔵の稀少な奄美時代の作品と共に、画風や生き方が時代を超えて相通じる伊藤若冲、同時代の画家・東山魁夷の絵画も展示しています。 

ご来館をお待ちしております。