特別展

歌麿大作「深川の雪」と「吉原の花」
―138年ぶりの夢の再会―

2017年7月28日(金)~2017年10月29日(日)

喜多川歌麿(?~1806)による「雪月花」三部作、すなわち「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」は、歌麿の最高傑作と名高い大画面の肉筆画です。いずれも歌麿が親交のあった栃木の豪商・善野家からの注文を受け、栃木で描かれたと考えられています。

この三部作が揃って展示された唯一の記録は、明治12年(1879)11月23日、栃木県の定願寺での展観に善野家が出品したというものです。その後、三部作は明治期に美術商の手によってパリへと渡り、「深川の雪」だけが昭和14年(1939)、浮世絵収集家・長瀬武郎によって日本に持ち帰られました。そして、昭和27年(1952)に銀座松坂屋で展示されて以来、長年行方不明だったものが平成24年(2012)に再発見され、めでたく岡田美術館の収蔵となりました。「品川の月」は明治36年(1903)にフリーア美術館(ワシントンD.C.)が、「吉原の花」は昭和32年(1957)にワズワース・アセーニアム美術館(コネチカット州)が購入し、現在に至ります。

本展は、「吉原の花」をはるばるアメリカからお迎えし、当館収蔵の「深川の雪」とともに展示する画期的な展覧会です。この2作品が同時に展示されるのは、実に138年ぶりのこと。しかも「品川の月」は原寸大の高精細複製画を制作し、三部作を並べて公開します。「吉原の花」が海を越え、「深川の雪」と母国日本で再会する夢のような競演に、あなたも立ち会いませんか?

展示作品の一部をご紹介いたします。

岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

喜多川歌麿

「深川の雪」

江戸時代 享和2~文化3年(1802~06)頃

岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

喜多川歌麿

「吉原の花」

江戸時代 寛政3~4年(1791~92)頃

ワズワース・アセーニアム美術館蔵

岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

喜多川歌麿

「三美人図」

江戸時代 寛政年間(1789~1801)

岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

喜多川歌麿

「芸妓図」

江戸時代 享和2年(1802)頃