開館一周年記念展
大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち
大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち
速水御舟「木蓮」 久々の公開
2014年10月4日(土)~2015年3月31日(火)
横山大観の「霊峰一文字」は、縦約1m、長さ約9mという絹地に、湧き上がる黒雲から姿を現す霊峰富士の雄姿を描いた大作です。大正15年(1926)、人形浄瑠璃の舞台の引幕として使われて以来、ほとんど世に知られないまま秘蔵されていましたが、岡田美術館の所蔵となり、昨年秋の開館を機に展示されました。この度、新たに収蔵された速水御舟「木蓮(春園麗華)」も34年ぶりの公開となる作品です。32歳の御舟が初の個展に出品した一幅で、代表作「炎舞」(山種美術館蔵)などとともに展示されました。墨一色で暗紅紫色の花の色を想起させる表現力に驚かされます。単なる写実を超えて、描く対象の存在感を深くとらえ、厳かに格調高く写し出した、近代日本水墨画の名作と評価されます。
開館一周年を記念する本展では、これらの2点と併せ、大観・御舟がともに活動した日本美術院の画家たちの作品を一堂に展示します。橋本雅邦・菱田春草・下村観山・川合玉堂・小茂田青樹・小林古径・前田青邨・小倉遊亀ほか、明治から昭和にかけて日本画の近代化を先導した画家たちの、華やかで革新的な作品の数々をお楽しみいただければ幸いです。
展示作品の一部をご紹介いたします。