岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

蟠螭文大鼎 (ばんちもんだいてい)

春秋時代後期 紀元前6~紀元前5世紀
1対のうち1口 高 各48.0cm 口径 各54.7cm

円形の鍋形容器に、把手(とって)である一対の耳と、3本の足がついたものを鼎(てい)と呼びます。蛇(へび)状の龍が絡み合った細かい蟠螭文(ばんちもん)や、背中合わせの螭龍(ちりゅう)を中に配した蕉葉文(しょうようもん)がめぐり、三足の上部には絡み合う螭龍で構成した獣面がほどこされます。文様は精緻で、造形も美しく、全体にシャープな造りです。 鼎は本来、肉類を煮る器でしたが、次第に料理を盛る器として利用されるようになりました。祭祀(さいし)の儀式では、神や祖先に供物を捧げる器として、最も重要な青銅器と考えられています。