岡田美術館 OKADA MUSEUM OF ART

阿弥陀三尊来迎図 (あみださんぞんらいごうず)

鎌倉時代 13世紀
絹本着色 1幅
175.5×125.0cm

たちこめた雲がちぎれ、忽然と阿弥陀如来(あみだにょらい)が現れました。勢至菩薩(せいしぼさつ)が静かに合掌(がっしょう)し、観音菩薩(かんのんぼさつ)は往生する人の魂をのせるため、蓮華座(れんげざ)を差し出しています。等身大の立ち姿の阿弥陀三尊を、正面から雲ごしにとらえる大変めずらしい来迎図(らいごうず)です。 真言密教(しんごんみっきょう)の教典に、大日如来(だいにちにょらい)と阿弥陀如来を一体ととらえ、死期の人が大日如来に帰依し浄土に生まれることを願えば、迷いの雲がたちまち晴れ、その場が即、浄土になるという教えがあります。この世が浄土に変容する瞬間が、あふれる臨場感をもって表されています。

今後展示予定の祈りの世界